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慢性胃炎・萎縮性胃炎

慢性胃炎・萎縮性胃炎とは

胃が慢性的に炎症している状態を、慢性胃炎と言います。慢性胃炎の主な原因として、ピロリ菌感染が挙げられます。胃の炎症が長期間続くと、胃液や胃酸の分泌が徐々に減少し、胃粘膜が萎縮してしまう状態が萎縮性胃炎です。
一方で、過度のストレスや暴飲暴食、薬剤の長期服用などによって胃粘膜が傷つき炎症を起こす状態を、急性胃炎と言います。急性の場合、慢性胃炎より症状が強く現れますが、一時的な炎症のため数日程度で症状が緩和します。慢性胃炎は、急性胃炎ほど強い症状は現れませんが、長期間にわたって胃粘膜が萎縮し炎症を起こしつつ、病気が進行していきます。

慢性胃炎・萎縮性胃炎の原因

主にピロリ菌感染が原因とされています。ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こり、時間をかけて徐々に萎縮した粘膜部位が広がっていきます。ピロリ菌の感染経路は主に経口感染であり、井戸水や便などが考えられますが、明確な原因は不明瞭な点も多いです。

ピロリ菌とは

ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息する細菌であり、感染したまま放置することで、慢性胃炎、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患の発症リスクが高まります。
もし感染している場合は、将来の胃がん発症を予防するためにすぐに除菌治療を開始することが重要です。
基本的に、ピロリ菌に感染するだけでは無症状の場合が多いですが、ピロリ菌が生成するアンモニアや毒素により胃粘膜が損傷し、胃炎や胃潰瘍を発症することで自覚症状が現れます。
ピロリ菌は除菌されない限り、胃の中に生息し続けるため、放置すると胃炎や胃潰瘍、胃がんの発症リスクが高まります。そのため、普段から胃の調子が悪いと感じる方やご家族がピロリ菌に感染している方、健康診断でピロリ菌陽性と指摘された方は、一度検査を受けていただき、感染している場合は除菌治療を行うことをおすすめいたします。

慢性胃炎の症状

  • 胃もたれ
  • 食後のむかつき
  • 空腹時や夜間に起こる胸焼け
  • 食欲不振
  • 胃がチクチクと痛む
  • お腹の張り

など

慢性胃炎・萎縮性胃炎の検査

内視鏡検査

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を行い、胃粘膜を直接観察します。胃粘膜の炎症や病変、ピロリ菌感染の有無などが分かります。検査中に疑わしい病変が発見された際は、組織の一部を採取し病理検査に出すことも可能です。

内視鏡を使わないピロリ菌検査

ピロリ菌感染の有無を調べるだけであれば、内視鏡を使用しない検査方法もあります。

抗体測定

血液検査や尿検査を行い、ピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。

尿素呼気試験

検査薬を服用し、一定時間後に吐いた息を検査して診断します。

便中抗原測定

便を採取し、ピロリ菌抗原の有無を調べます。

慢性胃炎・萎縮性胃炎の治療

慢性胃炎の多くは、ピロリ菌感染が原因とされています。このため、慢性胃炎の治療として、まずはピロリ菌除菌を行います。基本的に、薬剤を服用して除菌します。1回目の除菌治療で成功しなかった場合は、2次除菌治療を実施します。
当院ではピロリ菌検査、胃カメラ、除菌治療まで一貫して行うことができますので、気になる方はご相談ください。また、保険適応でのピロリ菌検査や治療は、諸条件が定められておりますので、保険適応による検査や治療をご希望の方は診察の際にご相談ください。